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第37回
日本心臓血管内視鏡学会総会

Japanese Association of Cardioangioscopy

会長挨拶

会長 髙山 忠輝の写真

第37回日本心臓血管内視鏡学会総会
会長 髙山 忠輝
(日本大学医学部内科学系総合診療学分野)

第37回日本心臓血管内視鏡学会の会長を拝命いたしました、日本大学医学部内科学系総合診療学分野の高山忠輝です。第36回に引き続き東京にてオンサイトでの開催を予定しております。さて、第37回の学会のテーマは「継承と挑戦」といたしました。血管内視鏡は生体内で冠動脈のみならず大動脈、下肢動脈、肺動脈などの様々な血管内腔を肉眼的に観察可能な唯一のモダリティーであり、日本発の技術でもあります。今回のテーマの前半部分は、この技術の継承をテーマにしています。血管内視鏡は単純な構造ですが、観察には一定の技術と観察経験が必要とされます。しかも、論文発表が現在も数多くされております。これまで内視鏡でしか得られない多くの知見が日本発で発表されてきましたが、このかけがえのない技術、そしてその可能性をまだまだ生かす領域、病態があると思います。その病態解明のみならず、治療補助としての役割についても、報告が出てきています。残念ながら、直接の治療器具としての発展はいまだにない状況です。今後は、血管内視鏡で観察される不安定プラークを安定化させる、または、フレッシュな血栓を観察し、そのまま除去できる治療デバイスへの進化を期待してやみません。基本的な機能として、血管内視鏡は、プラーク、血栓の検出に優れており、経時的な観察によって、プラークの進展・安定化・退縮、ステント留置後の内膜ヒーリング評価に用いられてきました。近年では、Structure領域のインターベンションや心内生検の支援ツールとして血管内視鏡が用いられる報告が増えています。冠動脈領域でもACS患者のPCI後のDAPT期間の適正化に寄与している報告も出ております。また、他の血管内イメージングモダリティーとの併用は、より詳細な病態解明に有効でもあります。一方では、非侵襲的な検査法での知見と対比する研究も着々と進み、その成果も報告されてきています。血管内視鏡をはじめとする血管内イメージングが血管内の病態解明するためにも、内視鏡の果たすべき役割は大きいと言えます。

最後に、いろいろな制約があり、開催期間は、1日となり、コンパクトな形での開催を予定しております。時間的な制約はありますが、血管内視鏡における技術・所見の継承と新しい試みについて、皆さんで集中してディスカッションできるような、第37回日本心臓血管内視鏡学会にしたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。